ルールは共通、実装は自由。
技術で答えを導く
ネットワーク開発
入社前は、どんな将来を思い描いていましたか?
将来は、日常の不便さをソフトウェアという立場からどう解決できるかを考え、最善のソリューションを提供できる開発者になりたいと考えていました。
ソフトウェア開発の魅力は、誰でもアイデア一つで身近な不便を解決できる点だと思います。その魅力に惹かれ、大学時代は、日本学の専攻に加え、二重専攻としてコンピュータ工学の学びを始めました。
在学中は多くのハッカソン(短期間でアイデアを形にする開発イベント)や開発コンテストに参加し、さまざまなプロジェクトマネージャーとともにプロジェクトを進める経験をしました。
そうした経験を通して、まずは開発者として十分な経験を積み、技術を理解したうえでプロジェクトを導くプロジェクトマネージャーになりたいと考えるようになりました。また、限られた条件の中でも最適解を導き出せる開発者になりたいとも考えていました。
こうした経験が、キヤノンイメージングシステムズ(以下、CIS)への入社につながりました。
なお、入社前は、外国籍として日本で働くことに対し、文化や言語の違いに加えて来日に関わる手続き面での不安は0ではありませんでした。
しかしながら実際には、日本側でのVISA取得手続きや費用、来日のための赴任旅費まで会社がしっかりサポートしてくれたことで安心して新しい環境に向き合うことができました。外国籍社員の受け入れ体制が制度だけでなく運用としても整っている点はとてもありがたかったです。
周囲の手厚いサポートと挑戦を後押ししてくれる風土のおかげでその責任をプレッシャーではなく成長のチャンスとして前向きに捉えられるようになりました。
入社してから、どのようにスキルを磨いてきましたか?

CISバドミントン部の土曜の朝をより快適にしてくれる「自動コート予約プログラム」を開発しました。
CISには従業員クラブがあり、私はもともと好きだった「CISバドミントン部」に参加しました。しかし、毎週土曜朝7時に翌週の体育館の予約を取ることがとても手間でした。そこで、「自動コート予約プログラム」を設計・開発しました。
当初は予約完了まで約1分かかっていましたが、現在は5秒以内で安定的に予約が取得できるほど性能が向上しています。最近では、他の社会人バドミントンチームからも利用したいという依頼をいただくようになりました。
CISで特に印象に残っているのは、新入社員が一人前として業務に参加できるようになるまで、十分な時間と明確なマニュアルを用意してくれている点です。CISの研修期間は日本国内でも非常に長く、部署研修まで含めると約1年に及びます。短期的に会社へ利益を生み出せなくても、社員が確実に成長できるよう時間を惜しまず投資してくれる姿勢に驚きました。
このように、社員一人ひとりの成長を急がせず、丁寧に支えていく文化は、韓国の友人たちから聞く働く環境とも異なり、とても魅力的に感じています。また、明確な手順・マニュアルが整っているため、新しい環境に慣れるまでの不安や戸惑いも少なく、社会人生活にスムーズに適応することができました。CISの職場全体の雰囲気としても、分からないことを気軽に相談できる温かさがあり、安心して仕事に取り組める環境だと感じています。
現在はどんな仕事をしていますか?

キヤノン製品に搭載される「ネットワーク暗号化モジュール」の開発を担当しています。
私たちは日常生活の中で、気付かないうちに多くのデータ通信を行っています。友達とのLINEやレストランでの決済など、あらゆる場面でデータが送受信されています。そのデータ伝送の最小単位を「パケット」と呼びますが、私の仕事はそのパケットを暗号化することです。
例えば、手紙が途中で他人に拾われても内容を読まれないように、元の宛先の人にしか理解できないよう加工するイメージです。こうした暗号モジュールをキヤノン製品に搭載することで、製品を通じた通信の信頼性を高めることを目指しています。
配属後は、上司や先輩から多くのサポートをいただきました。特に私は大学時代からWeb開発を中心に学んでいたため、ネットワーク領域の部署に配属されたときは、不安が大きかったことを覚えています。しかし、先輩方は基礎から丁寧にOJTを行ってくださり、何も分からなかった私が一人で業務を進められるレベルまで根気強く育ててくれました。そのおかげで、今では「一日があっという間に過ぎる」と感じるほど仕事を楽しめるようになりました。
日本語で仕事をすることは、今でも決して簡単ではありません。しかし私は「外国人だから仕方ない」と考えたくありませんでした。入社した瞬間、国籍は関係なく「同じチームの一員」だと思っているからです。そのため、毎日のToDoリストや業務ノートは必ず日本語で手書きするようにしています。自分との小さな約束ですが、継続することで少しずつ表現の幅が広がり、日本語で考える習慣も身についてきました。これからも努力を続け、言語面でもより自然にコミュニケーションが取れるよう成長していきたいと思います。
この仕事の「ここがおもしろい!」と思うポイントを教えてください。

「通信のルールは決まっているが、通信までの実装方法は自由である」という点が、この仕事の一番おもしろいところだと思います。
通信規格やプロトコルはどの企業でも共通です。つまり“こう通信しましょう”というルールは同じです。しかし、そのルールに沿って通信を準備する方法は開発者の工夫に委ねられています。
どうすればより効率的で、より理解しやすい実装にできるかをチームで議論し、方針を決めていきます。自分のアイデアを基にしたモジュールが正しく通信に成功した瞬間が、最もやりがいを感じる瞬間です。
また「質問する側から、質問される側」に変わった時に成長とおもしろさを感じました。配属直後は分からないことが多く、先輩に頻繁に質問していました。しかし、同じ内容を繰り返し聞いて先輩方に負担をかけないよう、教わった内容は必ず部内の共有ファイルにまとめ、自分で振り返れるよう工夫してきました。
その結果、業務理解が自然と深まり、担当領域では後輩や先輩から質問を受け、それに自分の言葉で答えられたとき、大きな成長を感じるとともに仕事へのおもしろみに繋がっていると思います。
つい夢中になること
プライベートではバドミントンに夢中です。
子供の頃から運動が好きで、今では運動が自分自身のコンディション管理方法になっています。運動している間はその時間だけに集中できるため、心身ともにリフレッシュすることができ、翌日の仕事への大きな原動力になります。
そのため週2〜3回は必ずバドミントンをしています。昨年は市の大会のEクラスで優勝したため、今年はDクラスでの優勝を目指しています。
ある1日の流れ
- 8:00~
-
フレックスタイム制度を活用し、個人的に一番集中できる午前の時間帯を伸ばして勤務しています。
出社・本日のToDoリスト作成 出社後、その日の作業内容と優先度を整理し、ToDoリストを作成します。
一日のゴールを明確にしてから業務を始めます。 - 8:15~
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作業の認識合わせ
プロジェクトリーダーと作業方針を確認します。
実装設計 → 実装 → テスト設計 → テスト → コードレビュー依頼
という一連の流れをベースに、具体的な進め方をすり合わせます。 - 9:00~
- 実装設計 認識合わせで合意した基準に基づき、実装方法を詳細に設計します。
- 10:00~
- 実装 設計内容に沿ってコードを書き、機能を形にしていきます。
- 12:00~
- 昼休憩
- 13:00~
- テスト設計 実装した機能が要件を満たしているかをチェックするため、テスト項目やチェックリストを作成します。
- 14:00~
- テスト テスト設計に基づいて動作検証を行い、不具合があれば修正します。
- 16:00~
- コードレビュー依頼 実装内容とテスト結果をまとめ、プロジェクトリーダーへレビューを依頼します。
- 16:30~
- 一日の成果整理 一日の成果を整理し、次回に引き継ぎやすい形にまとめて退社します。
- 17:00
- 退社